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    2005年03月16日(水) 旧暦 二〇〇五年二月七日 [今日は何の日?]

    青年たちよ!もっと夢を持て――千葉日報『特別寄稿』

    • 恋
    • 19:41
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    • カテゴリー:03.指導

    太陽の青年たちが千葉の未来を築く
    青年たちよ!もっと夢を持て
    ――創価学会名誉会長 池田 大作――
    『特別寄稿』千葉日報・2005(平成17)年3月16日掲載

     希望の見えない現代。若者達よ、夢を持て。太陽の光が見えないのなら自らが、その光となれ。二十一世紀を担う千葉の若人たちに、 未来を切り開く勇気を与える、人生の達人からの特別寄稿。

     「夢を持つことを忘れないで!」
     こう呼びかけるのは、2001年、日本で二人目の「女性宇宙飛行士」に認定された山崎直子さんである。 千葉県の出身だ。
     宇宙飛行士を目指したのは、中学三年生のときという。アメリカのスペースシャトル・チャレンジャー号の打ち上げをテレビで見ていた。ところが、 発射直後に、爆発――。

     尊き犠牲となった宇宙飛行士に、一人の女性教師がいた。宇宙から授業をすることが、大きな夢であった。それを知った山崎さんは、「私が、 その夢を受け継ごう!」と思い立った。心に熱い火が点った。
    その後、猛勉強にも、厳しい訓練にも耐え抜いた。大いなる夢に生きゆく青春は、千葉の大地から大宇宙の高みへ羽ばたいていったのである。
     私の人生の師も、よく、「青年は、夢が大きすぎるくらいでいい。初めから望みが小さくては、何もできないからだ」と語っていた。
     夢を大きく持って、走れるところまで走る。その分だけ、自分自身の世界を大きく広げることができる。
       ◇
     今、若い世代に「何をやっていいのかわからない」「やりたいことがない」という悩みが多いと聞く。
     先日、胸をえぐられる調査結果があった。晴れて成人式を迎える人に「今の自分をお金に換算するといくらか」と尋ねたものだ。一番多かったのは 「ゼロ円」。13.5%を占めた。
     もちろん、この数字だけで、今の若者の自己評価を決めることはできまい。「ゼロ円」の答えには、 人間の価値をお金で計ることへの抗議を込めた人もいるかもしれない。
     それはそれとして、私が言いたいのは、決して「自分で自分を卑下してはいけない」ということである。「自分はダメな人間だ」などと、 絶対に思ってはいけないし、思う必要もない。
     13世紀、千葉県に誕生した大哲学者は、「たとえ一日でも生きることは、千万両の黄金よりも価値がある」と示された。一人の生命は、 全宇宙の財宝よりも尊い存在なのである。
     以前、私は、モスクワ大学前総長のログノフ博士と対談集を発刊した。
    その中で博士は、「人間の脳が織りなすネットワークの組み合わせは、宇宙の中の物質をつくる粒子の総数より大きい」と指摘された。若き頭脳には、 宇宙大の創造力が秘められている。
       ◇
     私と妻の大切な友人に、ローザ・パークスさんという女性がいる。2月4日で92歳になられた。
     パークスさんは、アフリカ系アメリカ人。若き日から、理不尽な人種差別と戦い抜いてこられた「人権の闘士」である。
     かつて、アメリカ南部の街では、レストランも、待合室も、バスの座席も、映画を観るのも、子どもたちの公園の水飲み場さえも、「白人用」と 「黒人用」に分けられ、黒人はいつも一段下に置かれてきたのである。
     抗議をすれば、袋叩きにあうことも珍しくなかった。
     「おまえなんか、何をやってもムダさ」「どうせ、できっこない」「逆らうと、ためにならないぞ」
     どこへ行っても、やる気を奪われ、劣等感を抱かせられる現実ばかりであった。
     しかし、パークスさんは、お母さんが常に力強く励ましてくれたという。
     「“人間は苦しみに甘んじなければならない”という法律はないんだよ。
      自尊心を持ちなさい。人から尊敬される人間になりなさい。そして、人を尊敬していきなさい」
     この母から学んだ勇気と誇りを胸に、パークスさんは信念の道を進んだ。
     1955(昭和30)年の12月、仕事からの帰り道のことである。バスで「白人に席を譲れ」と強要された彼女は、毅然と拒否した。
     待っていたのは不当な逮捕である。しかし彼女は怯(ひる)まない。その勇気に続けと、町全体でバスのボイコット運動が起こった。抗議の波は、 盟友キング博士らを先頭に25万人が参加した「ワシントン行進」へと広がっていった。そして、ついに差別撤廃を勝ち取る日を迎えたのである。
     特別な人ではない。デパートの店員をしていた平凡な女性である。だが、その勇敢なる一人の「ノー」の一言が、人々の心を変え、 世界を揺り動かしたのだ。
     パークスさんは、私に語っておられた。
     「私たちは、人種差別はきっとなくなると信じていました。そして、必ず、そうなると望んだがために、現実に変化を起こすことができたのです」
     心の力は無限大である。
     世界は広く大きい。宇宙はさらに広く大きい。しかし人間の心は、さらにさらに広く大きいのだ。
     人に何と言われようと、「必ず自分はできるんだ!」と信じることである。「決意あるところ道あり」。勇気を出して、自分が変われば、 周りも変わる。すべてが変わる。勝利の道は、必ず開かれる。

     わが家のルーツも千葉県である。東京に移ってからは、大森で大規模に海苔を作っていた。しかし私の少年時代は、父が病に伏し、 働き手であった四人の兄たちは次々に戦争にとられ、生活は困窮するばかりであった。それでも母は「うちは貧乏の横綱だよ」と朗らかだった。
     私は少しでも家計を楽にしたいと、小学六年生から三年間、新聞配達をした。
    冬の朝などは辛かった。手の指が痛いほど、かじかみ、息も凍える。
    途中でイヤになる時も、「次の一軒までは頑張ろう」、そしてまた「次の一軒まで」と、自分で自分を励ましながら、懸命に配った。終えるころには、 体も温まり、「きょうも一日やりきった」と、気分は爽快であった。
     配達先に親切な若夫婦がいて、いつも、ねぎらの声をかけてくれた。夕刊の配達のあと、食事に招いてくださったこともある。
     「発明王エジソンも、少年時代に新聞の売り子をしながら勉強したんだ。若い時に苦労した人が幸せなんだよ」との激励は、今もって心から離れない。
     もともと体は強くなかった私が、世界を駆け巡れるようになったのも、この新聞配達で鍛えたおかげであろう。一つの仕事をやり通すなかで、 私は多くのことを学び、つかんだ。
     「今、自分が何をしたらいいか、わからない」という人は、まず何か一つ、「やり切った」といえるものをつくったらどうだろうか。
     朝、登校したら「おはよう」と声をかける。昼休みに10分でも本を読む。夕食のあとかたづけを手伝う等々、 身近にできることからでもいいと思う。
     人と比べる必要はない。昨日の自分と比べて、どうかだ。一歩でも一ミリでも、前へ踏み出した人は、もう勝っているのである。
       ◇
     十代は、人間の「根っこ」をつくる時である。
     野菜の生産高が「連続日本一」の千葉県。その豊かな大地で活躍する農村の青年から、キャベツの「苗づくり」の苦心を聞いたことがある。
     たとえば、与える水はできるだけ少なくするという。それは、なぜか。その方が、自分の力で土から水分を吸収しようと、しっかり「根っこ」 を張っていくからである。
     また、冬でも、苗にビニールなどは張らない。目の粗い寒冷紗(かんれいしゃ)を二枚かけるだけ。冷気にさらされてこそ、 実のしまったキャベツが育つからだ。
     人間も、同じであろう。何もかも恵まれ、甘やかされていては、人格の芯は鍛えられない。
     青春時代、貧しいことは、むしろ誇りである。労苦こそが、宝なのである。
       ◇
     それは、終戦後まもなく、私が17歳の時であった。
     食糧の不足が深刻で、人々が買い出しに奔走した時代である。私も満員列車に乗って、美しい田園と青い海が広がる幕張へ行った。そこで、 お会いした農家の婦人が、じつに親切な方であった。肺結核で痩せていた私を案じ、サツマイモを六貫目(約22.5キロ)も、 快く分けてくださったのである。
     このお宅でも、戦地へ行ったまま帰らぬ息子さんを、待っておられるように見えた。わが家も長兄が戦死である。母たちの悲しみは、 あまりにも深かった。戦争ほど残酷なものはない。
     けなげな庶民が、幸福に、そして平和に暮らしていける世界を必ず創らねばならないと、若き私は深く心に刻んだ。
     現在、私は、パグウォッシュ会議の名誉会長で、ノーベル平和賞を受賞されたロートブラット博士とも、対話を重ねている。
     博士は、アインシュタイン博士らの心を受け継ぎ、戦争と核兵器の廃絶のために戦い抜いてこられた。今年、97歳になられる。
     この博士が、少年の日のかけがえのない思い出として振り返っておられたことがある。それは「読書」の喜びである。
     博士はポーランドの工場主の家に生まれた。第一次世界大戦が勃発したのは、5歳の時である。一家は家財をすべて奪われ、没落。 一日にパンが二切れだけという、どん底の生活を強いられた。
     そんな悲惨な時代だからこそ、若き博士は、良書を次々に読破して、「夢」を広げていったという。そして、働きながら苦学を続け、 世界的な科学者となっていかれた。学ぶことは、青年として最も崇高な権利であり、喜びである。
     強い心があれば、どんな厳しい現実にも押しつぶされない。新たな理想の世界に向かって、自分自身を跳躍させることができる。 そのバネとなるのが、読書であり、勉学である。
     千葉県は、「朝の読書運動」の発祥の地である。
    17年前、生徒の心の荒れに胸を痛めた高校の先生方が、「学ぶ意欲」を取り戻してもらいたいと始められたと伺っている。
    それが、今日では、全国二万近くの小中高校で実施される広がりとなった。各地で、「朝の読書があるから、学校が楽しい」等の嬉しい声が聞かれる。
     良き活字文化の興隆こそ、野蛮な暴力の蔓延を食い止める砦となる。
    その意味において、千葉日報社が主催される「千葉児童文学賞」や「千葉ジュニア文学賞」も、誠に貴重な取り組みであると、 私は注目する一人である。
      ◇
     千葉県が掲げる教育長期ピジョン「夢・未来2025」では、20年後社会の一つの展望として、「責任ある『地球市民』社会」を想定されている。
     私も10年ほど前、米国コロンビア大学ティーチャーズ・カレッジで「地球市民教育」をテーマに講演し、「智慧」と「勇気」と「慈悲」 の三点に言及した。
     先日、ベラルーシ共和国のミンスク国立言語大学のバラノヴァ総長一行が、私の創立した創価学園を訪問してくださった。
     そのとき、生徒の質問に答えて、総長は言われた。
     「世界平和を愛する心は、お父さん、お母さんを愛する心から始まります」
     その通りと思う。故郷・安房をこよなく愛された古の大哲人の教えにも、「親孝行ができない時は、一日に二、三度、笑顔を見せてあげなさい」 とある。
     「地球市民」といっても、遠くの話ではない。
    身近な人を大事にし、暴力やいじめを絶対に許さないことが、戦争をなくすための第一歩となる。人を嫉(ねた)んだりウソをついたりせず、 友情と信頼を大切にすることが、平和の文化を創る出発である。
       ◇
     中国文学の巨人・郭沫若(かくまつじゃく)先生は、1928(昭和3)年から10年間、市川市に住まわれた。
    郭先生の戯曲の一節に、「諸君は、新しい太陽をお望みですか、それなら御自分で創ってください」と。
     青年こそ、新しい太陽だ。希望がなければ、自分で希望を創ればよい。
    闇が深いほど、自分が光り輝いて、人びとを照らし、社会を照らし、世界を照らしていくことだ。
    千葉県は、日本で真っ先に朝日が昇る天地である。太陽の若人が続々と躍り出る「千葉青年の世紀」の未来を、私は胸を弾ませながら見つめている。

     

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    » 青年たちよ!もっと夢を持て――千葉日報『特別寄稿』

    • 2005年03月16日 22:05
    • from ちと いい話♪

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    » 青年たちよ!もっと夢を持て――千葉日報『特別寄稿』

    • 2005年03月17日 13:12
    • from 旭日大学校OB会

    『特別寄稿』千葉日報・2005(平成17)年3月16日掲載 [続きを読む]

    Comment on "青年たちよ!もっと夢を持て――千葉日報『特別寄稿』"

    宮本です。
    恋さん、早業ですね。私は、一回ざーと、読んだだけです。早速TBさせて頂きます。千葉日報としては、
    久々の寄稿?。あー昔の寄稿文はどこへ行ったやら。

    •   宮本
    • 2005年03月17日 11:51

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    •   恋
    • 2005年03月17日 16:08

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